高血圧
高血圧は具体的に何が問題なのか意外と知られていません。
血圧とは簡単にいうと心臓が血液を全身に送り出す際の圧力のことです。
この圧力が基準値(血圧140/90mmHg)以上続く状態を高血圧といいます。
なお、血圧は収縮期血圧(最高血圧)/拡張期血圧(最低血圧)mmHgであらわします。
高血圧自体はよほど高くならなければ症状はありません。
しかし、高血圧を放置しておくと動脈硬化を起こし、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞等)、脳卒中(脳梗塞、脳出血等)を起こすことがあります。
したがって、高血圧による症状が出たときには、すでに生死に関わる病気が進行していたということもあります。
こうした怖さから、高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺人者)とも呼ばれています。
日本では糖尿病、高脂血症が多くなかったころより高血圧は脳卒中と関連が強いのです。
「健康日本21」によると収縮期血圧10mmHgの上昇は脳卒中罹患率・死亡の危険度が男性で約20%、女性で約15%増加します。
また、男性では狭心症・心筋梗塞の罹患率・死亡の危険度が約15%増加します。
高血圧の原因のひとつに食塩の過剰摂取が挙げられます。
日本の現在の食塩摂取量は11~12g/日です。
諸外国の推奨されている塩分制限は6g未満です。
食塩摂取を3g/日減らすだけで収縮期血圧が1~4mmHg低下します。「健康日本21」によると国民の収縮期血圧が平均で2mmHg低下すると脳卒中死亡率は6.4%低下すると言われています。
現在、約3300万人が高血圧に罹患しているといわれています。
まさに「国民病」といえます。しかし、このうち医療機関を受診している方は全体の50%といわれています。
さらに、受診している方のうち血圧がコントロールされている方は、その50%といわれています。
したがって、血圧コントロール良好な方は高血圧の方の25%に過ぎません。
清瀬内科クリニックでは血圧の分類で軽症の高血圧(140~159/90~99mmHg)の方の治療は、まず減塩、減量、睡眠不足の改善、ストレスの解消を行います。
高血圧のコントロールが困難な方には降圧剤を処方します。
さらに、当院では高血圧の治療には自宅血圧を参考にしています。
血圧を確実に管理すれば心筋梗塞、脳卒中の発症の危険を低くすることができます。
症状が何もないので治療しないのは危険です。
症状が出現してからでは遅いのです。
治療は内服だけではありません。
血圧が高いと言われた方はまず受診してください。